そよぐ風がとても心地よいこの季節、ワンちゃんのお散歩から帰ってきたら「突然頭をブルブルと振り、耳を気にしてキャンキャンと痛そう!」。実は、この季節にはそんな症状でいらっしゃるケースが多いのです。原因は何でしょうか?その多くは、この時期の草むらや道端に多くみられる麦に似た「草ノギ」です。当院の周りにも多いですし、看板犬の一茶もよく手足につけています(笑)その一部が耳の中に入り込むと上記のような症状を訴えるのです。
← 道端でよく見かけませんか?
← 実際に可愛いトイプードルさんから取り出したノギです。
最近は、夕方のお散歩後にこの症状で急いで病院にいらっしゃるケースが多いです。たいていは症状、散歩コース、エピソード(いつから症状が出たか?など)で見当がつきますが、適切に診断して治療するためには、鎮静処置を施したり、全身麻酔下で検査・処置が必要です。もちろん耳道内に入り込んでしまったノギを除去すれば、その後は良好ですが、予防することが重要ですので、以下注意点を挙げていきます。
先ずは、草むらをなるべく避けることです。今回ご紹介したような草ノギ被害の予防のほか、マダニの寄生予防にもつながるため、お勧めします。ただ、ワンちゃんのことを考えると、飼主心情としてそう簡単にはいきませんよね?そこで、夕方から夜にかけての、暗がりでの草むらはとにかく避けるようにしてください。経験上、日中に耳道内の異物でいらっしゃるケースはかなり少なく、その大多数は夕方から夜にかけて来院されます。
次に、物理的に防ぐという意味で、耳にターバンのように布を被せる方法です。アメリカコッカースパニエルなど特定の犬種では耳の保護のために一般的です。今は百円均一ショップなどでも素敵な素材が販売されいるので、かわいい家族のために一度ご検討ください。もちろんそれを食べてしまわないように注意は必要です。
最後に、トリミングサロン等で、耳(特に内側)の毛を短く整えてもらうことです。草ノギはたいていの場合、毛にくっついた後に耳の中に入ってしまいます。ですので、毛を整えることでくっつく可能性を減らすことができます。
その他にも色々な対策が出来ると思いますが、まずは一般的なところを挙げさせていただきました。もし、読んでいただいた方の中に「こんな対策もしてるよ!これやってみたらよかったよ!」などございましたら、ぜひ教えてください!
気持ちのいい季節、思う存分楽しみたいですね!