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突然「キャンッ!」その症状、ひょっとしたら…

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長野市内、雪も降るようになり、いよいよ冬本番ですね。雪が降ると雪好きの子は大はしゃぎですが、お部屋とお外との温度差にも気を配りたいものです。

さて、昼夜問わず、診療や診療問合せをいただくことが多いのが、「突然キャンッと鳴いてから、震えて元気がない、ご飯も食べなくなってしまった…」、「何となく元気が無くて、動かないし、ご飯は持っていけば食べるんだけど…」、「触ったり抱っこしようとすると嫌がるし、鳴いたり、いつもと様子がおかしい…」といったような、飼主様も何となくどこか痛そうなことは分かるんだけれども、漠然としていてよく分からないという症状です。

当然、漠然とした症状ですので、他に異常がないかを確認するために各種検査をご提案させていただき、実施させていただくことが多いのですが、それでも異常が認められなければ、ひとまず考えられる痛み(整形外科的な痛み、神経痛、内臓痛、等)に対する治療をしてみて効果判定を行っていくことになります。

今回、ご紹介させていただくのは、漠然とした痛み症状を認める疾患のうち、MRI等の高度診断機器が必要となった例です。最近、こういった例を診させていただくことが多くなってきましたので、ご来院される前や「うちの子、こんなことあった!」とご経験のある方のご参考までに見ていただければと思います。

【症例】お尻周りを触ろうとするとキャンッ!と鳴いたり、食欲もなくなったので、どこか痛いのではないかと来院されました。診察室では、痛みによると思われるこわばりと後足と前足に軽い神経学的な異常が見つかりましたので、各種検査を実施し、最終的にMRIを撮影し、「脊髄空洞症」と診断しました。その後、お薬による内科的な管理で痛みは取れ、生活は良好です。

以下に、ご承諾を得られましたので、この症例の画像と「脊髄空洞症」の概要をお示しします。

脊髄空洞症

脳と脊髄に流れる脳脊髄液の循環に変化が起きて、脊髄内にお水が溜まってしまう病気です。チワワやポメラニアン、ミニチュアダックスフンド、キャバリア等の小型犬種にみられることが多いと言われています。

ヒトでは、キアリⅠ型奇形と言われる先天性奇形に合併することが多いとされていますが、ワンちゃんですと後頭骨や頸椎等の複合的な先天性奇形に合併することが多いため、尾側後頭部奇形症候群(COMS)とも呼ばれています。

症状は、知覚過敏や痛みに関連して、多彩です。なんとなくどこか痛そうと感じられるのも、その多彩な症状からであるとも言えます。

診断には、MRIが必須で、その他の検査は補助的なものとなります。

治療はお薬による内科治療がメインですが、重症度によっては外科的な治療も必要な場合があります。

VR VR 後頭骨の形成不全により、後頭部の頭蓋骨の一部が欠損しています。

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後頭骨の欠損部位から、頸部の筋肉が小脳を押してしまっています(黄緑の矢印)。また、脊髄にはお水が溜まっていて、この画像ではお水が白く見えます(黄色い矢印)。

NECK 脊髄空洞症の症例に認められることのある、側弯症です(背骨が湾曲しています)。

この他にも、椎間板ヘルニア等の、痛みを生じる代表的な疾患が隠れていることがありますので、突然の「キャンッ!」に遭遇しましたら、一度ご相談にいらしていただければと思います。

 

 

 

 

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