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肛門腺って取っちゃっていいの!?(肛門嚢炎について)

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ワンちゃんのトリミングや日常のケアの中でしばしば耳にする「肛門腺」という名前。肛門腺絞りますね~、肛門腺たまってますね~、など使い方は数知れず。そんな肛門腺にも病気があります。わが家のアイドルがいざ肛門腺の病気になった時、この便利な時代にあまりにも情報がない!みんな情報を求めています!と先日当院の飼主様から話をいただきましたので、以下に肛門腺の炎症とその治療にスポットを当てて説明していきます。

肛門腺というのは正確には肛門嚢と呼ばれる分泌腺のことをいいます。肛門の4時と8時の方向に対で存在する臭い袋です。

肛門嚢2   ※ヒルズアトラスより

スカンクの肛門嚢分泌物が臭いのは有名ですが、基本的には同じものですので、ワンちゃんのものも独特の臭いがあります。ですので、普段は排便の時に便と一緒に排泄され、臭い付けの役割も果たしてます。しかし最近は、分泌物を上手く排泄することができずに肛門嚢が膨れてきて、「お尻をこすって歩く」、「お尻を気にしてなめる」、「お尻のにおいがきつい」、「お尻が血生臭い」などといった症状を訴えて来院されるケースが増えています。また、ひどい場合は肛門嚢が破けて、肛門脇の皮膚から血膿が出てくる場合もあります。

肛門嚢破裂2 ※ヒルズアトラスより。右側が炎症で破けたイラストです。

こういった症状が見られた場合、肛門の状態を確認してから肛門嚢を絞ってみます。分泌物がたまっているだけであれば、絞って排泄することによって症状は改善しますが、肛門嚢が膿んでいて炎症が起こっている場合には、薬による治療が必要です。膿んでいるかどうかは、分泌物の検査を行って判断していきます。

ここからは、膿んで炎症を起こしている場合の治療をお伝えします。肛門嚢を絞った後、抗菌薬の注射や内服で治療をスタートします。その後、改善具合によっては肛門嚢を直接洗浄し、薬を注入します。おとなしく処置をさせてくれる場合はいいのですが、お尻ですので嫌がる子も多く、鎮静処置が必要なケースも多いです。それでも改善しない場合は外科手術に進むことになります。

外科手術?肛門嚢って取っちゃっていいの?と質問されることが多いですが、取ってしまって構いません。もともと現在のワンコ社会ではおそらく使う必要がなくなってしまった臓器であり、結局炎症を起こしてしまって内科的に管理できなければ取るしかありません。肛門嚢を摘出したワンちゃんはみんな、絞る必要もなくなり、気にすることもなくなり、快適に過ごしているように感じます。当院では、閉鎖式テクニックを用いて手術を行っています。以下に飼主様の厚意により手術時の写真をいくつか掲載しますので、参考にしてください。

IMG_89442jpg ※左の肛門嚢を周りから分離して見やすくしています。ちなみにこれを絞るんです。

IMG_89652 ※両側の肛門嚢を切除した後の外観です。皮膚はきれいにくっつきますので、安心してください。

予防的に取ることは可能ですか?と質問されることがあります。もちろん予防的に取ることは可能ですが、手術によってどれだけの利益があるかを考える必要があると思いますので、その子の性格や、飼主様の考え方など、しっかりと相談する必要があります。

今回の記事によって、日頃から耳にすることの多い「肛門腺」について、視点を変えたり、考えたりするきっかけになれば幸いです。ご相談はいつでも可能ですので、ご来院ください。

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