ここ最近は、蒸し暑い日が続いていますので、ワンちゃんのお散歩は早朝や夜間等の涼しい時間を選ばれている方が多いかと思いますが、特に視界が悪くなる夕暮れや夜間にお散歩に行かれる際は、雑草が生い茂る草むらや草刈り後のあぜ道等にはご注意ください。
雑草が成長し、草刈りに追われるこの時期は、当院でも、お耳の中に草芒(くさのぎ)が入ってしまい急性の外耳炎を起こしてご来院されるケースが増えております。また、体格の大きいワンちゃんですと、臭いをかいでいる際に鼻の穴の中に入ってしまい、急性の鼻炎をおこしてしまうこともあります。さらには、指の間に踏んづけた草芒が刺さってしまい、急に足先が腫れあがってしまうこともあります。草芒が見つからず、または知らずにいた場合には、慢性の炎症を伴い、処置や治療が難航する場合がございますので、急な症状が出た場合にはお早目にご来院ください。
以下、ご承諾を得て、取り出した草芒の写真を載せさせていただきましたので、これからのお散歩時やアクティビティ時の注意点のひとつとしてご確認いただければと思います。ご来院いただき、摘出させていただいたワンちゃんの飼主様は、「小さな耳にこんなに大きなもの入るんだぁ」とおっしゃることが多いのですが、ふとした瞬間に入ってしまいますので、ご注意いただければと思います。
よく見かける草芒です。お散歩後に体にくっついていることも多いです。
左は枯れる前、右は枯れたものです。よく見かける麦のような雑草です。
突然の外耳炎を起こしたワンちゃんから摘出した草芒の一部です。
そのままの形で入っていることもあります。