先月は緊急的に手術をする機会が多かった1ヶ月でした。そして、その多くは異物の誤食でした。
「動物たちは思いもよらないことをすることがある」
これは、お家に来てから間もない動物はもちろんのこと、長いこと寄りそって一緒に時間を過ごしてきた動物たちにも同様に言えることだと思います。
先日、鹿の骨付きジャーキーの骨を丸ごと飲み込んでしまったかもしれないとのことでワンちゃんがいらっしゃいました。一見元気そうに尻尾を振ってくれるのですが、繰り返す飲み込み動作と吐気、体位を変えると咳き込む姿、これはもしや本当に丸ごと飲み込んでしまったのではないか!?と嫌な予感がしました。
鹿の骨はレントゲンにうつるのでレントゲン写真を撮ってみることにしました。実物を見せてもらっていたので、まさかこの小さい体で飲み込むはずが……「えー!」…

まさかでした。食道を通り先端が胃の中にきれいにおさまっています。これは一大事です。何よりも食道に異物があることが一大事です。胃の中ならまだよいのですが、食道に関しては異物が食道粘膜の血流を悪くして壊死してしまうと救いようがありません。とにかく急いで食道から異物を取り除く必要があります。幸い素早く処置を進めることができたため、食道は軽度のびらんを生じたのみで、お腹を開けて異物を胃から引き抜くことができました。

その後は順調に回復してくれ、大事には至りませんでした。
飲み込んでしまったワンちゃんは高齢ですので、飼主様とは長いこと連れ添った仲ですが、それでもこういったことが起こるのです。改めて、「動物たちは思いもよらないことをすることがある」ことを再認識し、日々の生活を楽しみたいですね。
最期に、写真の使用を快諾していただいた飼主様と今回の一件を通して私たちに色々なことを教えてくれたワンちゃんに感謝申し上げます。ありがとうございました。



