どうぶつ医療コラム

草むらに気を付けて!(マムシ咬傷の話)

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秋は行楽シーズン!山歩きや散歩は楽しいですよね。個人的にもこの時期は山歩きが好きです。暑くもないので、夏よりも快適に気持ちよく歩くことができます。また、この時期の散歩道には、りんごや稲穂、とんぼ、と秋の彩りが映え、歩くだけで幸せになります。

ただ、そんな山歩きや散歩の時に気を付けほしいのが、マムシです。体の模様がカモフラージュになって、枯葉や土の色にとけ込み、気づいた時には咬みつかれているということがあります。

ちなみに、マムシ咬傷の被害にあうのは決まって犬です。猫は持ち前の瞬発力でかわすのかもしれません。猫は今のところ経験がないため、今回の話は犬の話です。

先日、マムシに咬まれたのではないかということで来院されたケースがありました。

くっきりと二箇所に認められる深い傷、急激な腫れと痛み、本人の元気消失など、ヘビはすぐに逃げてしまうため、その正体を確認できない場合がありますが、状況や症状から推察することができます。

さて、肝心なのは治療です。当院では、ヘビ咬傷の際に一般的とされる、抗菌薬、鎮痛薬、消炎剤などを用いた治療の他に抗毒素血清による治療行っています。

一般的に犬はマムシ毒に対する抵抗性がヒトより高いといわれていて、抗毒素血清の必要があるかどうかは意見の分かれるところです。しかし、何回か遭遇したマムシ咬傷症例において、抗毒素血清を用いた方が、明らかに腫れの引き具合が良く、咬傷部位が壊死して落ちてしまうこともありませんでした。逆に抗毒素血清を使用しなかった症例では、咬まれた顔面の腫れがおさまらず数日後に壊死脱落してしまったことがあります。

こうした理由から、当院ではなるべく抗毒素血清を常備するようにして、いざという時に備えています。ただ、欠点は、抗毒素血清が非常に高価であるということです。その他の補助治療も含めるとかなり高額になってしまうため、使う前には飼主様の了承を得て治療を実施しています。

これからの秋の行楽シーズンを前にして、参考にしていただければ幸いです。

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