どうぶつ医療コラム

予防薬について知っておいてほしい基礎知識

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3月に入り、いよいよ春♪…と思いきやあっという間に冬に逆戻りの寒い日がありますが、季節は着実に進んでいますので、暖かい春を楽しみに待ちたいところです。

さて、いよいよ暖かくなってくると、ワンちゃんやネコちゃん、フェレットさんに対するフィラリア症予防とその他ノミやマダニといった外部寄生虫予防をスタートする季節となります。

そこで、今回の記事では、予防薬について知っておいてほしい基礎知識をお伝えしたいと思います。

まずは、フィラリア症予防についてです。フィラリア症の概要については、製薬会社さんの外部リンクをご覧ください。フィラリア症予防の薬は、ワンちゃんでは月に一回投与を繰り返すタイプと1年間有効な注射タイプが基本です。一方でネコちゃんやフェレットさんには、月に一回塗布する薬が基本ですが、最近はネコちゃんに対して3ヶ月有効な外部寄生虫予防薬にフィラリア症予防薬の機能を付加したタイプも処方される場合があります。

予防期間の原則は「蚊が活動を開始してから1ヶ月以内に予防薬をスタートし、蚊が活動を終えてから1ヶ月後に最終投与とする」です。ただ、わかりにくい場合も多いので、暖かくなったらスタートし、十分寒くなったら終了すると考えておくといいかと思います。当院では、3月または4月から早めにスタートすることをおすすめしています。遅くとも5月には始めたほうがいいです。終わりは11月末か12月に設定すると十分な予防期間をとることができます。

次に、ノミやマダニといった外部寄生虫予防についてです。こちらも概要は外部リンクを参考にしてください。こちらもワンちゃんでは、毎月投与を繰り返すタイプが基本ですが、オールインワンタイプを毎月食べるか、背中に塗布するのが一般的です。ネコちゃんやフェレットさんでは、フィラリア症予防とセットで予防できる月一回塗布する薬が便利です。ノミやマダニといった外部寄生虫はフィラリア症のように媒介するものがいませんので、その予防期間は、活動開始する2月下旬~3月をはじめとして、12月を終わりとすることをおすすめします。もちろん、散歩コースや出かける場所にもよりますので、この限りではありません。

ここで、当院での処方薬の組合せをお伝えします。

まずは、ワンちゃんです。一般的な寄生虫予防がすべてできるオールインワンタイプのチュアブル(ネクスガードスペクトラ)、フィラリア症予防のためのチュアブル(イベルメック)もしくは錠剤(ミルベマイシン錠)、一年間有効なフィラリア症予防の注射(プロハート注)、があります。

ネコちゃんとフェレットさんは、フィラリア症とノミの予防ができるもの(レボリューション)がメインです。ただ、外出自由なネコちゃんの場合は、マダニに遭遇する機会があるため、オールインワンタイプの塗布するタイプ(ネクスガードキャットコンボ)の用意があります。ちなみに当院の看板猫のトラはレボリューションを通年で毎月塗布しています。

最近はノミやマダニといった外部寄生虫の予防もできる簡便さから、オールインワンタイプを選ばれる方がおおくなりました。当院の看板犬の一茶もこのタイプを通年で服用しています。他のタイプは、ノミやマダニの予防が同時に必要になることがあるので、そちらと併せてご用意することが多いです。

また、最近は通年予防という概念も浸透してきています。飲み忘れや旅行等に伴う移動、混雑期の通院を避けることなどを理由にメリットが多くあります。ただ、その分費用がかかってしまうので、生活スタイルで検討していただくといいかもしれません。

最後に、海外から個人的に予防薬を購入されている方がときおりいらっしゃるので、念のため、関連省庁の注意喚起をお読みください。この中には、違法な広告を行っている販売サイトが公表されていますので、そちらもご確認ください。予防薬は基本的に要指示薬に分類されるため、ご自身での購入にはリスクが伴うことをご理解いただきたいと思います。

最近は予防薬の種類が多くなり、選択の幅が広がった一方、私たち処方する側も困惑することがあります。当院では、今までの使用感や副反応の出にくさ、嗜好性などを総合的に判断して上記の用意としていますので、これからの予防シーズンの参考にしていただければ幸いです。

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