どうぶつ医療コラム

スズメやツバメなどの野生鳥獣の保護・治療についての注意点

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最近、お問合せが非常に多くなっている「野生鳥獣の保護・治療」について、一般的な見解と当院の対応をお伝えいたしますので、ご参考になさっていただければ幸いです。ちなみに基本は「触れず、そっと見守る」です。

一般的に、我々獣医師が診療する動物は、獣医師法という法律が定める飼育動物(牛・馬・めん羊・山羊・豚・犬・猫・鶏・うずら・オウム科鳥類・カエデチョウ科鳥類・アトリ科鳥類)です。しかし、飼育動物以外の動物を診療してはいけないという規定はありませんので、それぞれの獣医師の判断で、ウサギやモルモット、ハムスター等のいわゆるエキゾチックアニマルを診療する場合があります。

ケガをしていたり、道端にいて動けない野生鳥獣などに関しては、獣医師法を拡大解釈すれば我々獣医師が対応可能かもしれませんが、それ以上に鳥獣保護法が適応されるべきと考えられます。この場合、許可がなければ野生鳥獣を捕獲・飼養することはできません。ですので、素直に解釈するのであれば、野生鳥獣は自然環境に任せ、そっとしておくべきと考えられます。もちろん天然記念物指定種や希少野生動物種などはすぐにでも専門的な保護・治療を受けるべきですので、関係機関(長野市長野県)にご連絡をお願いいたします。

動物に対する純粋な人情からすると、ケガをした野鳥や巣から落ちてしまったヒナを見過ごすのは酷に感じることがあるかもしれません。しかしながら、そこに人が介入することは、もしかするとその動物のその後の行動や生活を、あるべき姿から遠ざける可能性がありますので、本来は避けるべきと考えます。

それでも、「何かしてあげたい」、「どうにも気持ちが収まらない」という積極的なお気持ちがあるのも十分に理解できますので、その場合は、当院にお連れ頂く前に、野生鳥獣を管轄する地方自治体(長野市長野県)へご連絡をしていただき、判断を仰いでください。中には、「野生傷病鳥獣救護の取り扱い分類」に従って治療対象とならない野生鳥獣もいますので、いらしていただいてもご対応できないケースがあります。また、治療にかかる費用については、いらしていただいた方に全額をご負担いただくこともご理解いただきますようお願いいたします。

野生鳥獣をめぐる考え方は多々あるかと思いますが、基本的に当院に直接ご連絡いただいてもご対応できません。何卒ご理解いただき、野生鳥獣に対して「今その場で何をすべきか」を一歩立ち止まってお考えいただければと思います。

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