どうぶつ医療コラム

マダニ注意報発令!

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こんにちは、獣医師の出岡です。5月も下旬に差し掛かり、外で過ごしやすい季節となりました。(暑すぎる日もありますが…(^^;))この時期、わんちゃん達(&お外に出かけるねこちゃん達)に気を付けていただきたいのがマダニによる吸血です。当院では、今週も多くの患者さんが「マダニに吸血されたかも!?」と来院されています。マダニがよく生息しているのは森の中や河川敷の草むらですが、なかにはご自宅の畑で吸血された子もおり、私たちの想像よりも近くに潜んでいると考えられます。そこで今回は、「身体の中でマダニがつきやすい(発見されやすい)場所」「マダニを発見したときの対処法」「マダニの予防方法」について、ご紹介いたします。

 

〇マダニはどこにくっつく??

実際にマダニに吸血されてしまった子の写真を用いてご説明いたします。モヒカンが素敵!イケメンなシュナウザーさんにご協力いただきました(^^♪

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マダニが付きやすい箇所は顔まわり。目のキワ、耳の周り、口周り、顎に発見されることが多いです。わんちゃんたちが草むらでクンクンと匂いを嗅いでいるとき…マダニは「吸血相手がやってきた!いただきまーす♪」とすかさず顔に飛び乗り、腰を据えて吸血を始めるのです。写真のわんちゃんは耳の端っこにマダニが吸血していました。

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吸血前のマダニは3mmほどで非常に小さいため、吸血して大きくなった数日後に発見されるケースが多いです。写真のわんちゃんは、河川敷の草むらにおでかけしたときにマダニがくっついたと考えられ、吸血開始からおよそ3~4日経ってからマダニの存在に気づいてご来院いただきました。

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マダニは蚊と同じように、皮膚に口を刺して吸血します。マダニは多くの病原体を媒介するため、刺された箇所の皮膚炎だけでは済まないことも…。特に、▶SFTS(重症熱性血小板減少症候群)というウイルス感染症は今のところ対症療法による治療しかなく、死亡率が高いおそろしい病気です。

 

〇マダニを見つけたらどうすればいい?

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散歩やお出かけの後には、わんちゃんの身体にマダニがくっついていないかを確認し、もしマダニを見つけたら、自宅で取ろうとせずすぐに動物病院を受診してください。おうちで無理に取ろうとすると、マダニの口の部分がちぎれて皮膚に残ってしまったり、マダニの体内にいる病原体を動物にうつす可能性があります。病院では、写真のようなマダニ取り専用ピンセットを使っています。

 

〇マダニによる吸血を予防したい!

マダニがおうちの子にくっついているのを発見したら、みなさん慌ててしまうと思います。そこで当院では、あらかじめマダニの予防をされることをおすすめしています。

当院でご用意できる予防薬には、食べるタイプと皮膚スポット薬の2種類あります。これらの薬はマダニが吸血してから6~48時間以内に駆除し、1カ月間効果が持続します(製品により駆除するまでの時間は異なる)。予防期間は3月中旬~4月上旬頃からスタートし、12月ごろまで続けることを推奨しています。当院の患者さんのなかには、早くて3月、遅くて12月のクリスマス頃にマダニをくっつけて来院された子がいたため、できれば早めに投薬スタートすると安心ですね。特に、山間の地域にお住まいである、もしくは山にでかける予定がある場合は早めのスタートがおすすめです!春と秋は特に注意が必要です。

ただ、残念ながら、予防薬を投薬しているのに数日経ってもマダニがくっついて取れない…というケースもあります。そのため、散歩やお出かけの後にはマダニがついていないか確認いただき、もしもマダニが吸血しているのを見つけた場合は早めのご来院をお願いします。

 

人も動物も、マダニに気を付けておでかけや散歩を楽しみたいですね♪

 

▼マダニ対策については、こちらもご参照ください。

犬のマダニ対策について|ノミダニフィラリア.com (n-d-f.com)

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